天野可淡の三冊目の作品集。すでに解散し、現在新たな形で再度編成されたエディショントレヴィルで出版。現在は絶版中。
出版時にすでに可淡はこの世になく、氏の作品のうち人形のみではなく、絵や短編小説なども載せた集大成的な本となっている。
また、寄稿者もバラエティに富んでいる。恋月姫の個展でも寄稿していた萩尾望都は可淡の三冊目の作品集でも言葉を寄せている。
私が特に気に入っている一枚の写真は、セーラーカラーの少女人形。
可淡の人形特有の彫りの深さとネコ科の動物のようなするどい眼光でどことも知れぬ場所を見遣っている。一度見てみたい人形だけれど、個展でもお目にかかったことがない。
どなたが所有されているのか。。
こうして見ると、作家の死がイコール作品の封印となってしまわないためにはよほど当人が気を使って手を打っておかねばならないことが分かってしまう。
悲しいけれどそれが事実。
どうか、可淡の粘土人形が朽ち果てる前に絡んだ糸が少しでもはやく解れてくれますように。。
復刊ドットコム
にて復刊交渉中(著作権継承者との交渉が膠着状態)
(リブロポート・1992年)
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