おかざき真理は、雑誌Feel Youngで「サプリ」を不定期連載中(2004年2月現在)。この漫画が、あまりにも「普通」に「恋愛」してて、なのに絵が妙に華麗だったりして。。そのギャップが面白くてコミックスを購入してみました。
「セックスのあと男の子の汗はハチミツのにおいがする。」。
タイトルとその表紙(女の子二人がシーツに包まってるイラスト)だけなら、絶対に買わないコミックス。
読んで、うーんとうなりました。いろんな意味で。
タイトルの漫画はさておき、問題?は所収されている「雨の降る国」。
これは、不登校の少女とその親友が、少女の部屋の中(これが「雨の降る国」らしい)でさまざまに対話するという話。
少女二人の関係性は希薄で濃厚。
どう濃厚かというと、不登校少女の部屋のベッドの中で、会話しているうちにごく自然に(不自然に?)身体を触れ合うようになる程度に濃厚。
どう希薄かというと、親友の方は不登校少女のお兄さんに交際を申し込まれて、あっさりと受け入れ、またあっさりと交際を断ってしまう。その終始をまったく動じずに不登校少女に語る程度に希薄。
この空気感の違いをもっと少女たちの心に切り込んで描いたら面白いのに、この話の中では、タイトルどおり、「雨の降る国」の御伽噺で終わってしまっているのです。
少女の肉体の描写はなかなかセンシュアルでドキドキするし、胸を包み込む指と、それに感応する少女の表情なんかにはかなりトキメイテ、オカズにできないでもないけど(おい)、ちょっとドキドキしながら最後のページをめくった私は、思い切り打ちのめされました。
「期限付きの遊び」
という言葉に、甘さをもとめたのでしょうか。。
ひとときの官能を楽しむのは、たしかに大人だけではない。
だからこそ、少女たちにとっての「官能」が単なる閉じられた世界の気の迷いで終わってしまうとしたら、一生オンナは箱の中でひとり甘い蜜を吸っていることでしか性の愉しみを得ることができなくなるではないか。。。。などと思ってしまうのです。
一人の少女ではなく、二人の少女で、ぜひともコミュニケーションを描いて欲しかったなあと、残念に思ってしまいます。。。
思春期ってコミュニケーション不全ばかりが売りではないって思うんですが。。。
(祥伝社刊・おかざき真理・「セックスのあと男の子の汗はハチミツのにおいがする」所収)
okazaki_amenofurukuni
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