オノヨーコのインタビューを古館伊知郎がするとテレビ欄にあって、うーん古館かあ。。。と思いつつ、ビデオを録ってみてみました。結果、オノヨーコに思わず爆笑&拍手。
インタビューの内容については言及するようなものはほとんどなかった。。予想はしてたけど、古館のインタビューはあまりにも奇をてらったマスコミ寄りで、なんとかヨーコからブッシュ批判を引き出そうと、現在の世界への不満を吐き出させようと、必死なばかりでみっともない。。
インタビュー終わり近くになって、古館が聞いた。
「あまりにもあなたの活動と世界の現実が違うというこのギャップに、絶望しませんか?」
ヨーコが微笑んで応える。
「ちっとも」
それでもなお、ヨーコからネガティブな発言を引き出そうとして、いい募る古館に対して、ヨーコは苦笑いで返す。
「実際に平和デモが起こってるんです」
さらに古館が白いカバーの本を差し出して、ヨーコの自伝を書くならタイトルは何にするかという質問をすると、
「自分の将来を決めるようなことはしたくない」
とあっさり拒否した。もちろん古館はそれでもと迫る。ヨーコは半ば呆れながら、
「あなたの強制に従う理由はないから」
と断固として拒んだ。見ていたヨルと私は大喜びで拍手喝采。
マスコミの作った筋書きをこうも綺麗に拒絶できるインタビュー相手というのはあまりない。
そもそも古館側のイメージでは、ヨーコとは「平和教」「ジョンレノン教」の教祖となっていて、その教えをヨーコは説いて世界中を回っているのだ。だから、最初に思想ありき、で、その思想と現実は最初から解離している。
けれど、実際のオノヨーコは、「ジョンレノン教」でもなんでもなく、ただ行動する平和主義者。ニューヨークタイムズに出した広告も、ピースコンサートも、すべて彼女自身の信条に従った行動であり、周囲への影響は単なる副次的効果に過ぎない。
行動。
思想。
その優先順位が、古館とヨーコではスタート地点から逆のまんま。古館側は決してその間違いを訂正せず、意図した演出に従ってシナリオ通りにヨーコを彩ろうとする。
ヨーコは自分の思いを誤解されることは怖くなくとも、自分の行動を曲解されたまま、その演出に加担してしまうほどばかではないし、そんな義理はみじんもない。
なぜ、古館は「人間」のままで、ヨーコと対峙しようとしなかったのか。
なぜ、彼女を演出すべきだなんて思ってしまったのか。
人と人が出逢うとき、素のままで出逢わないのは、不幸だ。
自分の思ったようにコントロールしようとしたり、最初から決めつけて唾棄したりすることは、あまりにももったいない。
ヨーコが最後に、決してタイトルをつけようとしなかった白い表紙に、
「私のサインだけはします」
といって書いたサインは、ヨーコのマスコミへの僅かな愛に見えた。
(テレビ朝日「報道ステーション」2004年4月29日放送)
yoko_furutachi
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