先日とある人形展に行ってきましたー。
そもそもの目的は、私が習おうとしている先生のお人形をみることだったのですが。。。
見事にストライクゾーンなお人形でした。。。先生のお人形は。。。
帰宅してすぐに先生のところへ電話し、教室に通いたい旨を伝えました。
わくわくしつつも、先生に言われた「作りたい人形のイメージの分かるものをもってきてください」という課題を考えていて。。。ふと思ったことなのだけれど。
まず、私にとってのみる人形と作る人形の間のギャップ。
みる人形としては、私は異世界を感じさせてくれるような、少女人形が好き。
もうみているだけでトリップできてしまうような不思議な魅力が少女人形にはあるの。。。 けれど、いざ作ろうという段になると妙に満腹感が。。。(笑)
それで、前の人形を作る時にとまどいがあったのよね。。。
楽しいのだけれど、夢中になりつつどこか焦りを感じる。。。。何かが違うような。。。
何故作るのだろうと。。。みているだけで十分なのかもしれないという気持ち。。
それが、今回その先生の人形「オルランド」という少年人形をみていて、むくむく作りたい意欲が湧いてきたの。
少年人形が作りたいわけではなくて。。。
少年の姿をした少女の人形が作りたいと。。。
少年になりたいと願って、けれども心が少女のまま、あるいは体が少女のままの切ない思いを形にしたいと。。。
高校生のころ、初めてはっきりと女性を好きになったとき漠然と抱いた思いは「男の子になりたいな」。
でもこれは、肉体的違和感とは何か違った気がする。
その後常に私は「少年ぽい」ものに憧れ、自分もマニッシュな姿をしてみたり、男の子の口振りを真似てみたり。。。。何かそういう要素はいつもあったのね。
好きな漫画や小説の登場人物もいつもトランスなキャラクタだったし、追っかけやってた(爆)宝塚もある意味トランスよね。。
どっぷりはまったものっていつも何かしら性別に対する葛藤の要素を持ってた。。
今のように社会的女性を演じることに自己満足を感じ始めたのって、ここ三、四年のこと。
(大学生のころは確かにイケイケだったけどさ(爆)あれは今思えば「女装」だったわ。。。どこか社会を欺いて面白がってるところがあった。。)
それと共に「創作意欲」が急激に下がった。。。。
ふと思うのは。
あのころ私は諦めてしまったのかもしれない。
「社会的ジェンダー」に抵抗することに。長い物に巻かれたほうが楽だし、選択の種類が増えると。。。
でも実際はどうかというと。。。
私は女性のみを愛し、少年への興味は一切なくなった。男性器に対する嫌悪感が顕在化する一方で、ニンフォマニアとも言えるくらいにセックスへの執着が強くなった。。。そのことがパートナーをある意味苦しめて、私自身をも苦しめている。
そして、「女性らしい」格好でいる私への社会の期待は「女性らしさ」だったから。。。。自分の中の矛盾点をどうすることもできなくなった。。。
結局私は、長いものに巻かれる前よりもずっと不自由になった。選択の幅も狭くなった。
いや、選択の幅が狭くなったから選択しやすくなったのだけれど、その選択肢に「例外」を認められなくなったというか。。
そう。女性っぽい格好をしているからってなぜ中身まで「しとやかに」「色っぽく」「優しく」あらねばならないのか。
女性っぽい格好をしている私が少年性を持っていてはいけないのか。。。 一度ある友人に、自分の中のトランス的な要素の話をしたとき、言われたことがある。
「無理してトランスにならなくてもいいのにー」
。。。。。。言われた瞬間に私はすごいショックだったの。
思い返せばそれは絶望に似てた。女性っぽい格好をする女性であり、強烈に社会的ジェンダーの女性を意識して演じている私が、中に社会的少年(?)を持っていることへの葛藤を一言の元に切り捨てられたような感覚というか。。。
(その時の私の説明の仕方も悪かったのだと思うので、その相手の方には何の罪もないです(きっぱり)。私自身はっきりと自分自身を説明することの出来る状態に至っていなかったのに言葉にしてしまったのが原因)
でも、その時のショックのおかげで自分がいかに中身とギャップのある役割を演じているのかを自覚できました。。。
たぶん、私にとってのジェンダーというのは言葉ではとても説明しきれないと思う。。。
昨日見た先生の人形に、私はどこかにおいを感じたのかもしれない。。。
そういう今の自分の中の葛藤や苦しさや、どこかあまやかな気持ちを人形に込められたら。。。
憧れていて、けれども苦しい姿。。。。『少年の扮装をして、少年の心をもち、少女の肉体を持つ曖昧な存在の切なさ』『ジェンダーにはまることの心地よさと居心地の悪さ』が形になれば。。。
けれど先生の人形は「少年」なのだから。。。
やっぱり私の望む不完全に完全な形では有り得ない。。。
望む存在を創りたい。。。 それが私の意欲の一番の源だった。。。それを思い出したのでした。。
transgender
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