ローリー・キングによるケイトのシリーズはこれまでに四作「捜査官ケイト」「愚か者の町」「消えた子」「夜勤」が集英社より翻訳出版されています。(2003年7月現在)
このシリーズの何よりの魅力は、キャラクターの描写でしょうか。。
読んでいくうちにぐいぐいと惹きつけられるキャラクターたちで読者はあっちへこっちへ振り回されます。
その描写力は主人公ケイトよりもむしろ毎回顔ぶれが微妙に変わるサブキャラクターたちに発揮されます。各作品で印象的なのは、一作目では重い過去を背負った画家、二作目では自らを愚者と名乗る老人、そして三作目ではなんといっても小さな依頼人の少女ジュールズ。実は私はこのジュールズの魅力故に三作目が最もお気に入りなのです。
三作目に出てくるジュールズは思春期前の少女。そしてケイトは仕事に打ち込む大人の女性です。
二人の間には10以上の年齢の差という壁があり、この壁は特に思春期前という微妙な時期には大きいのものですが、ジュールズはそれを軽々と飛び越えて、ケイトに信頼を寄せます。
ケイト自身、なぜに彼女がそこまで自分を信頼してくれるのか分からないまま、けれどもそれに応えたいと努力していくうちに、ジュールズという少女の心の迷路に一緒に迷い込んでしまうのです。
ジュールズ自身のこころのうちは最後まで詳細に描かれることはありません。
けれど、ケイトとの信頼関係を通して痛いほどに「もてあまされる」ことのつらさ、愛情の不確かさを、そして本当の愛を得ることの心強さを彼女の中に見ることができます。
とにかくケイトの彼女への傾倒の意味が、本当に分かるのです。
友情ってどこまでも対等で、信じるにあたいするものなのだと感じることが出来て、心が温まります。
女性を愛する女性として、やっぱり気になるのは三作を通してのケイトとリーの関係。
ここでも作家の描写力が光ります。
リーが何故遠くへ行きたがるのか、何故ケイトがそんなに荒れるのか、いちいち身にしみてしまってある意味辛いんですが。。。(笑)。
ここでもまた自立の意味を考えさせられます。(ああ、耳が痛い)
パートナーシップって、恋愛だけでは無理なのですねい。。。
ある意味、恋愛プラス友情、そこに家族愛が芽生えてようやく少しずつ先へ進めるというか。。
これらのバランスが崩れてどれかばかりが目立つようになると、関係の継続が難しくなっていくように思います。。
は。。。私も精進だわ。。←本気で?
king_kate
最近のコメント