実はこの本を読んだ時に、私は最初共感はほとんど覚えなかったのでした。むしろ、
「こういう人もいるのね・・」
という感覚が近かったのでした。それは彼女が芸能人であることよりも、彼女自身のセクシュアリティへの感じ方が私とは違うせいだったと思います。
逆に、カムアウト後の彼女の話(文庫のみ収録)が妙にリアルでうなずけました。
特に「カムアウトというのはゼロになること」という話はとても分かる気がします。
周囲に自分のセクシュアリティを話すというのは、それだけで何の意味もないというのが現在の私の実感です。セクシュアリティを知られてようやく同じスタートラインに立つ準備が出来るというだけ。
そこまでですでに力を使い果たしてしまうセクシュアルマイノリティの現状のきつさが身にしみます。
ゆっくり行きたい(生きたい)のにね・・・。
[about the author(s)]
1967年京都府生まれ。ミュージシャン。同志社大学在学中にバンド「東京少年」のボーカリストとしてデビュー。京都でのライブ活動を経て93年ソロデビュー。
現在は京都にて京都町内会バンドの一員としてライブを中心に活動。
京都町内会バンドのURLは
京都町内会バンドオフィシャルサイト
http://www.obu.to/
バンドの曲のMP3ファイルが多数ダウンロードできます。
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(幻冬舎(幻冬舎アウトロー文庫), 1997年10月刊)
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