大島弓子作品でsexual minorityの登場人物が出てくるものを集めてみました。
なんだか美少年系が多いのは、当時の少女漫画の傾向かな。。とも思ったけれど、大島弓子の描くゲイ・ビアン・トランスはなんだかちょっと扱いが違う。
むろん正面から取り上げたというのではないし、それを意識したものでもないので「は?」と思うような言動は多々あれど、どこか世間のものさしとずれた行動に共感覚える部分も。。
というわけで独断と偏見のリストをあげてみます。
リストを作って気づいたのが、そのキャラクターの思いが真剣であればあるほどに救いから遠くなるストーリーになっていくパターン。安易にハッピーエンドにするのは夢物語になってしまうということに大島弓子が気づいてたからだろう。唯一恋を成就させる「つるばらつるばら」については、きちんと前もって「前世では女性だった」という逃げが用意されているから。
タイトル | 収録コミックスなど | |
ゲイ・ビアン的人物 | ||
「バナナブレッドのプディング」 | 白泉社文庫「バナナブレッドのプディング」収録 | |
ストーリー中唯一救いが用意されない登場人物の奥上くん。彼が恋するのはラグビー部のコーチ。その恋心が、現恋人の大学教授に知れてイタイ思いをしようと新しい恋を押しとどめることができない。いやはや本当に救いがない。。。 | ||
「ハイネよんで」 | 大島弓子傑作選「草冠の姫」収録 | |
鹿に育てられた少年と、彼との出会いによって変化してゆく夫婦の姿。どうにもやるせない三人の関係を深く深く沈めてゆく雪。 | ||
「さようなら女達」 | 白泉社文庫「さようなら女達」収録 | |
女の子の主人公の親友(同じく女の子)が実は主人公に恋していたという設定。思いを断ち切ろうと転校してしまう彼女は、主人公の心の成長の促進剤みたいな存在。 | ||
トランスジェンダー的人物 | ||
「七月七日に」 | 白泉社文庫「さようなら女達」収録 | |
出征した父の後添いとして来た義母と、彼女に恋して思いを遂げまたも出征していく青年。次々と青年たちを見送る義母のこの世ならぬ不思議な美しさに心打たれる少女。最後に知る義母の真実に心を抉られる。 | ||
「つるばらつるばら」 | 白泉社文庫「つるばらつるばら」収録 | |
主人公の継雄が女性の生まれ変わりという設定。 正確にはsexual minorityの定義(というのがあるなら)からは外れるんだけど、背負う痛みや肩身の狭さは通じるものが多い。また、継雄の心情は前世の設定よりもゲイとして生きる現世の痛みの方を強く感じる。 | ||
異性装的人物 | ||
「パスカルの群」 | 白泉社文庫「バナナブレッドのプディング」収録 | |
主人公の少年の初恋は学校中の少女たちの憧れの的の少年。たった一度他の少女に混じって彼をおっかけてみたいと女装したことから話が妙な方向へ。。でもね。この話も救いがないの。。 | ||
「すべて緑になる日まで」 | 白泉社文庫「すべて緑になる日まで」収録 | |
レージデージの恋人マリオンに恋する少年トリステス。レージデージの妄想から生まれたトリステスの悲劇は、恋の残酷さをレージデージに見せ付ける。 |
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