頭の中をぐるぐると回る様々なことを考えていても、結局グルグル回るばかり。
考えながらざっくざっくと勢いよくカッターで人形の芯を削っていたら、あっという間に左手の親指から人差し指の狭い範囲を合計五箇所負傷。二箇所は血がとまらないのでバンドエイド圧着。名誉の負傷といいたいけれど、単にカッターの扱いが下手なくせに大胆なだけ。いつもどこか怪我をする。
でも刃物はわりと好き。
中学生くらいから肥後守という小刀が気に入って持ち歩いて、カッター代わりに使いまわしていたら、日常的ないじめの中カッターを突きつけられたとき役にたった。別に刺したわけではない。持っているということが大事だったから。持っているということを知った少年達が、さっと散ったのだ。あの小さな肥後守を恐れて。笑ってしまった。
刃物は私を傷つけてもあっさりと手を離れる。でも芯になる発泡スチロールはちっとも離れない。ぐずぐずぐずぐずあたしにまとわり着くから、嫌い。
それでも勢いだけで全パーツの芯が出来た。明日から粘土にとりかかれる。ようやくホッとする。粘土は好きだから。
グルグル考えていても怪我しないし。
あたしはどうなりたいのか、どうしたいのか、考えながら迷いながら、また粘土を捏ねる夜がくる。
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