ジェーン・バーキンつながりで娘のシャルロットを思い出す。二十代に手が届くか届かないかくらいのころ、まだ少女だったシャルロットの気の強くシャイなムードに参ってた。「なまいきシャルロット」なんて何度も見た。
フランス語でma femmeのニュアンスがいまひとつ分かってないんだけど、調べてみると、「オレの女」ってつまりは妻のことなのね。すごい封建的だなあ、フランス語。オレの恋人となると、mon amant になるわけ?この映画はつまり実生活でも夫婦のイヴァン・アタルが監督、シャルロットが女優で妻、というまんまの役。
それにしても、えらくハリウッドっぽい映像と脚本だなあというのが一度見ての感想。個人的にパリのイメージそのもののような女優シャルロットなのに、このイヴァン・アタルの手になるとあっというまにハリウッドラブコメ女優っぽい。正直に言おう。あんまりこの監督(に描かれるシャルロット)、好きじゃないなあ。
フランス映画にはもっと陰のようなものが写りこんでいて欲しいというのが、おのぼりさん的希望。それでもそのいっぽうで、監督イヴァン・アタル自身演じるところの当人イヴァンのキャラクターはもう呆れるほどにエゴイスティックな愛の支配者そのもの。ありえないほどものわかりの悪い主人公だ。観客には絶対に共感を覚えてもらえないし、下手するとただのDV紙一重オトコだ。私がシャルロットならあっという間に離婚だなと思うくらいにひどい嫉妬と独占欲で女優シャルロットの素行をああだこうだと批判し、責める。ハリウッド的映像と脚本でも、人間はどこまでもマイペース個人主義な感じが、勧善懲悪的ハリウッド映画とは一線を画している。そういうところはちょっと好き。好きだけど、このイヴァンのキャラクターはごめんだな。あたしなら本当にものの数十秒で別れるな。
舌触りの悪さはしっかりフランス映画なんだけど、やっぱりもうすこし歯ごたえが欲しい。もう一作、同じ監督で同じ設定(名前はかえてあるけど、夫イヴァン・妻シャルロットの図は同じ)のを借りてしまったので、これを見てからこの監督の好き嫌いを考えようかな。。。にしても、シャルロットの枯れ枝のような少年ぽい体型は、ほんとあたしにとっての憧れ。女っぽさのカケラもないのに匂い立つセンシュアルな存在感。うーん。。女だなあ。いいなあ。ふふふ←あやしい
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