良い子ちゃんが嫌い、なんていう小学生みたいなことをいっていてもはじまらない。
はじまらないので、ただその場を去った。
良い子ちゃんは感情を置き去りにする。けれど、本当に良い仕事をする人は人の苦しみと自分の仕事上のジレンマを天秤にかけたりしない。自分自身の肝に銘じることにする。
全身に刺青を入れたいという野望は相変わらずある。
みどりの蔓草を。この世にない花を織り込んで。勝手に四方八方に伸びてゆくような、自由闊達な植物をせめて皮膚に埋め込みたいという野望。
バイクに乗りたいなあとか思ってあれこれ見ているときに思いついた、タンクを白または黒一色に塗って、上に蔓草を這わせるグラフィックを入れるというアイデア。でもどうやらタンクにデザインを入れるには相当高くつくらしい。下手すれば刺青と同じか、それ以上。なぜ蔓草が好きなのか分からないけれど、実家にあった昔から好きな橘吉の皿の柄も蔓草で、一人暮らしをはじめてからわざわざデッドストックの茶碗をオークションで探して求めたりした。蔓草を這わせ、時間を埋め尽くしたい。心を埋め尽くしたい。隙だらけなのが不安、なのか。
朝二時をとっくに回った時間にむくっとベッドに起き上がった恋人は朝から初めて食欲を示し、サンドイッチとカップスープを欲しがった。ほんのすこしほっとして食べものをもってきて、汗みどろになったシャツとセーターを脱がせて着替えを手伝う。絞れるくらいに濡れそぼったシャツは洗濯機へ。食べ終わった彼女を寝かしつけて、また戻る。明日近所の内科が仕事初めなのは確認済みなので少し安心。早めに行ったほうがいいだろう。
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