体調悪かった後はたいてい匂いに敏感。
で、どうかなとびくびくしつつ、先日届いたサンタマリアノヴェッラ薬局(イタリアにある世界最古の薬局、だそうな。でもどういう基準??)の香水(例によって小分けスクリュー管)を使ってみる。名前も芳しき「王妃の水」。あたしがつけるとどちらかどいうと「端女の水」って感じになりそうだけど、つけてみるとあら不思議。本当に高貴な香り。シトラス(ベルガモット?)中心なのがあたしの好みにあっているらしいけれど、そのおくからほのかにスパイシーでウッディな香りが。おお、これイケるわと喜んでいます。
トップノートのシトラスはもう少し苦みが強くてもいいなと思うけれど、ミドルノートのスパイスとのバランスは絶妙。うーん。これはボトル買いせねば。
他にも小分けのスクリュー管から直接香った感じではイタリアのイメージしたジャポニズムな香りがヒット。
「京都」という名前のその香水は、なんとも不思議な香りを篭らせていて。世界最古の薬局という聞けば眉唾物のような奇妙な肩書きのその化粧品会社の出す香水は、ことごとくあたしの嗅覚にヒットする。ヒットするけれど、なんの記憶にも触れない、不思議な香り。もともと香りは記憶に密接に結びついていて、それが例えどんな不快な香りでも、香りに結びつく記憶も不快とは限らない。逆に言えば、心地よい香りにまつわる記憶が全て思い出して差し支えない記憶とは限らない。
例えばほぼ全てのサンプルについて苦手な香りだと感じたラルチザンの香水も、中にはあたしの懐かしい記憶をふっとよみがえらせるものがいくつかあった。けれどその薬局の香水はただ芳しく、なんの思い出も掘り起こさない。まっさらな香りなのだ。そんなことってあるだろうか。
私は割とシングルノートの香りを複数重ねづけするのが好きだけれど、その肝心のシングルノートの香りの好みがずれていると、当たり前ながら香りのブレンドもビミョーな感じになる。ラルチザンがその典型で、一つ駄目だと全部駄目という感じでいまんとこほぼ全滅。逆にサンタマリアノヴェッラはほぼすべてOK。やはり香りの好みなんでしょうな。アニックも香りによっては好きなのもありますが、基本どれも同じ香りに感じてしまうのが難点。一番相性の良いところがサンタマリアなのかもしれない。もうひとつ試してみたい香りはPalazzo Vecchioです。これも精油中心の配合。
あとは、気になっていた廃番の「イヴロシェ」のガーデニアを格安に入手。おそらく来週くらいに届きます。同じガーデニアで生花っぽいと評判のアメリカのブランドKAI Perfumeのオードトワレが欲しいなあ。小分け香水、鬼のように溜まってきている。。
そんなハッピーなはずの中、唐突に熱を出して寝込んだ週末~月曜。その間、頻々とつく、足あと。数ヶ月前まである意味soul mateだと本気で信じていたある人の足あとが、この数日毎日ついている。今でも同族嫌悪の意味を含めてソウルメイトには違いないと思っているし、こんなに遠慮なく腹が立って遠慮なく近親感を覚える相手(しかも性別男性)ってのはなかなかいない。距離が近ければ確実に会って大喧嘩しているだろうってくらいに身近な人であることは間違いない。送られた郵便物を受け取り拒否してしまうようなこんな関係性腐ってしまってもなお。
おそらく向こうも「憎くて憎くて気になる」んだろうけど。それなら、直接あたしに語りかけて、喧嘩を売ってくればいい。辛気臭く足あとだけつけてあたしの出方を見てるのは気持ち悪いし潔くない。勿論あたしは踏み返したりしないし、その人の行きそうな界隈にも一切寄り付かず覗きもしない。
この冬から春にかけて、あたしはその人に自作の石けんや、精油を調合して作ったリフレッシャーや化粧水等を贈った。特にその中でもリフレッシャーとして調合した香り(ゼラニウム、ローズウッド、ラヴェンダー、プチグレン、スウィートオレンジ、パチュリ)にWild Roseと名前をつけて贈った。出来上がった香りのイメージからつけた名前だったけれど、一番気に入っていたそれは華麗にスルーされてえらく悲しかったのを覚えている。香りの好みだけは如何ともしがたいから仕方ないのかもしれないけれど、なんとなくそのときのうまく贈り損ねた感覚が後を引いた。今でも少し引いている。香りの好みが合わない人とは、うまくはいかないものなのかもしれない、などという極論が頭を掠めるのは愚かしすぎる。考えてみれば、恋人とさえ香りの好みがあったことはない。そうだ。あたしが好きだったブルガリの香水を次々贈ってくれた人とはものの八ヶ月で別れてしまったっけ。香りというのは他人に贈るにはあまりにパーソナル。
好きなだけ足あとぺたぺたつけていればいい。動揺はしても、そんなもの、香りの好みの一致不一致と同じ、なんの意味も無い。立ち止まりはしないもの。まっさらな記憶の、まっさらな香りとともに、ずんずん先へ進んでいく。あたしは。He does not bother me at all.
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