プレビューを先月見てきましたが、今度はその本番です。
今さらだけど、可淡の人形はこんな感じですという写真がこちらでちと見れます。
http://www.synforest.co.jp/cdrom/sf-019/index.html
スライドショーというところを見てみると、内容が数点見れますのでご興味のある方はどうぞ。
先日見にいったプレビューは素晴らしかったけれど、人形の点数が少し少なくてその点を本番?では解消されるかなと期待していました。
可淡の作品の多くは、諸事情により人目に触れることが少ないらしい。
この「諸事情」というのがかなり微妙な話のようで、ご両親を囲んで語り合う講演会?のような場が今回もうけられたけれど、その中でも話題にのぼりながらも詳しくは語られない。
ご両親の協力があるならかなりの点数が出品されそうに思われるけれど、自宅に50点以上ある人形はお蔵入り状態になっているとご両親らが自ら話す。人形の腕や頭などの各パーツで残されているものもあわせると100点以上にのぼるそうだ。
作品の写真集が絶版のままなのもそのあたりに理由があるのかもしれないけれど、本当に残念なこと。。
そのことからか、プレビューとそれほど数が違わなかったというのが印象です。
いや、出展していた所蔵者の方を思い浮かべると確かに点数は増えていたはずですが、印象として少しばらけていたというか。。。むしろプレビューの方がひとつの世界として作り上げられていたような気もしました。
というのは、会場を提供し人形展を演出している片岡佐吉氏が、
「プレビューのときのアンケートの中にあった『音楽がうるさかった』『演出しすぎていた』との意見にショックをうけ、音楽を控えた」
との話が影響していると思われます。音楽は確かに減っていたけれど、全体に鳴り響いていたのが二か所に絞ったために他の部屋との統一感を欠いたのかもしれません。
一緒にいった彼女はプレビューの音楽が非常に気に入らなかったようだけれど、私は逆に今日の方が音楽が気になった。バランスの問題かな。。
人形で一番印象に残ったのは、プレビューの時すっくと立って結界を作っていたあの着物の人形。
今回は奥の部屋で竹細工の椅子に横たわり、空を睨んでいる。
凄まじい視線。
完璧な形の後頭部。反り返った首筋、背から腹にかけての弧を描く線と乱れた着物の裾から見える足首の角度。
人形に巡らされた結界にそってぐるりと廻る。
頭のてっぺんから見て、髪のひとすじひとすじが、命を思わせる。生きているというのではなくて、失われた命を思い起こさせる強い力が発散されているのを感じる。
そして、可淡が人形のコンテストでグランプリを取り、人形作家として世に出るきっかけになった作品は、プレビューのときとは違って硝子の箱に入れられて息をつめていました。
katan_doll_honban
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