(ネタばれがあります。これから読む方はご注意) やまじえびねの漫画のキャラクターはみなまっすぐな目をしてる。 どんな言葉を言うときであれ、相手の目をまっすぐに見据え、きっぱりと言い切る。自分の言葉の意味を分かっている人の態度。
なかなかできない。とくに相手を傷つける本音を口にするときには。
主人公の京ちゃんよりも私が気になったのは、マゴベエだった。
レイという素晴らしい恋人を得て5年の月日を費やし、なおも求めていく先を探し続ける人。
「結婚すればもっと素晴らしい何かがあるかもしれない」
「子供ができれば。。。」
そうして先を先をと探っていくマゴベエを恋人レイはやりきれない切なさで見送り、京ちゃんは疑問符を去った影にぶつけつづける。
私には彼女を責める言葉はない。
「お願い。分かって」
そう言ってレイを抱き締めたマゴベエ。
常に去っていく側である彼女を羨む気持ちが私を卑屈にする。
背中を見つめるしかない自分を、叱咤するのは京ちゃんの明るい心。
(FEEL YOUNG・2003年2月号・やまじえびね「スウィート・ラヴィン・ベイビー」)
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