新年早々ですが、百合雑誌のレビューします。
百合とは何かという定義は私の手にはあまるのでご自身で判断いただくとして、この「百合姉妹 Vol.2」という雑誌について。
「2」というからには当然「1」があるわけで、なぜ私が「1」を買っていないかというと、あきらか~に表紙が「エロ」を匂わせるものであったことと、書店でのおき場所がエロ系だったせい。
そして更に、某乙女のカリスマ氏が堂々とエッセイを載せていたから。
(吉屋信子「屋根裏の二処女」のあとがき読んで万が一感動した人はショックを受けるだろうね。。)
で、「2」を何故買ったかというと、表紙がより「同人誌」系にスライドしていて、エロからやや離れたと思われたので。そして、書店での扱いがまぎれもなく「女性向け」の場所にあったから。
いえいえ、奇麗事はやめましょう。
「好奇心ではちきれそうになったから」
というわけで、購入してみました。
ヨルには書店を出るまで内緒にしていて、外で見せたら目を丸くされました(赤面)。
以下、読んでみて。
この手の雑誌で思い浮かぶエッチ系は一切なし。
ほぼすべてが仄かな恋心に終始していて「ふーん」とまず頭をかしげる。で、出版元を確認して納得。
「JUNE」の発行元なのであります。
そう思って読むと、そこかしこに漂う香りはまぎれもなく、昔「やおい」といわれ、今「ボーイズラブ」と言われるものの変形バージョン。
- 美しい先輩と可愛い後輩がほのかな恋心を一切自己否定もせずにおおらかに表現しあっている。
- 同級生に片思いする少女が、自分の恋心を罪の意識から隠そうとするが、実は両思いとわかってめでたしめでたし。
よく見れば、この本のサブタイトルは、
「ガールズラブ開花宣言」。
そして、サイトを見てみると書いてある売り文句。
「少女期に誰もが抱く、同じ少女への清らかな想い。」(百合姉妹1)
「少女期特有の、同性に対するほのかな恋心を綴ったコミック誌」(百合姉妹2)
なんてこったい。。。ゲイばかりではなくビアンまでが少女たちのお人形遊びの一環になってしまったのか。。。。???
よく見ると、アニースに書いていた(いる)作家陣もちらほら。そりゃそーだ。ビアン物なんて描く人も読む人も少ないと思われているから、作家は重なるだろう。。。もちろん森奈津子もばりばり(?)。
昔「やおい」を読んでいた私は、別にこの手の文化(?)を否定しない。
むしろ、「t.A.T.u」とかと同じで、
「はいはい。どんどんみなさん見て、見慣れてねー。はやく飽きてねー」
という心理でいるので、この手の雑誌はどんどん増えて欲しい。
いっそ「百合姉妹」が月刊化でもして、「ガールズラブ」のファンがコミケ(同人誌販売会)に溢れ、
「あなたは三島受け?あたしの三島は絶対攻めよお」
とかいう同人少女たちがうきうきと同人誌を会場で宅急便にして実家へ送り出すなんてことになったら面白いと思う。
というわけで、「百合姉妹」には1.2といわず、100,200まで号を重ねていただきたい。そして、その「ガールズラブ」がどのように変化していくのかを見てみたい。
そのとき彼女らは言うのかな?
「ガールズラブのカップルはいいんだけどさ、レズビアンってなんか暗くない?」
。。。。アニース作家のみなさん、どうぞ雑誌を乗っ取ってください。
(「百合姉妹Vol.2」・マガジンマガジン・2003年11月発行)
yuri_shimai2
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