もう十五年以上、気に染まないことばかりをやってきた感覚。
それでも、今私を取り巻くこの環境すべては
どんなにささやかで、不便でも、物足りなくとも、
流されたばかりではなく、選び取ってきた私の努力の結晶でもある。
そろそろ、自分を認めてやってもいいころだ。
失敗の連続ではなく、望む場所へむかうための準備期間であったのかもしれない。
何十年ぶりか、夢見ていたものが目の前にあるような。
けれど日々はなにが変わったというわけでもなく。
幸福というのは、花や蝶のいろどりではなく、砂地に染みる雨のようにただ吸い込まれてゆくものなのかもしれない。
不完全であることを幸せであると思える、その幸福の無限さよ。
誰にもうまく説明できない。たとえ恋人に対してでも。
それでも、それを伝えたいと感じるそのことだけで、完全なこの碧さの中に私はある。
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