中山可穂が選ぶ10冊というテーマでのインタビュー。
同性愛を一貫して描いてきた「中山可穂」という作家がこれまでどのような形の恋愛小説に触れてきたのかというのが主旨であるように、中山の心動かされた文学の形が垣間見える内容となっている。
中山が松浦理英子に尊敬の念を抱いているとは以前アニースのインタビューでも読んだので印象に残っていたけれど、どうもこの二人の作家に通じる部分は少なく感じていたので、今回のインタビューでの中山の発言に納得した。
「敬愛する作家の一人だけれど、自分が読みたいものはちがう」
確かに、私も中山可穂と松浦理英子にもとめるものは全く違う。
記事が読めなかったという人のために、氏があげた10冊をここに書いておきます。
・「ナチュラル・ウーマン」松浦理英子 - 河出文庫
・「三角波」(「男どき女どき」所収)向田邦子 - 新潮文庫
・「いまだ覚めず」(「おめでとう」所収)川上弘美 - 新潮社
・「ロマンス」(「いつも心に太陽を」所収)つかこうへい - 角川文庫
・「愛の牡丹雪」(「愛の矢車草」所収)橋本治 - 新潮文庫
・「現代歌人文庫 春日井 建 歌集」春日井 建 - 国文社
・「トニオ・クレーゲル」トーマス・マン - 新潮文庫
・「ベント」マーティン・シャーマン - 劇書房
・「やけたトタン屋根の猫」テネシー・ウィリアムズ - 新潮文庫
・「蜘蛛女のキス」プイグ - 集英社文庫
戯曲が三冊も入っているのが「らしい」です。
ちょっと読みたいなと思ったのは橋本治の「愛の牡丹雪」。
タイトルからしてふるってるなーなんて。。
それからゲイの歌人「春日井 建」の歌集。堂々と男性を愛することを唄った貴重な歌人。
今思うと「マラケシュ心中」の絢彦のキャラクターはここから発したのかな。。?
ちなみに私が中山可穂と重なったのは、「ナチュラル・ウーマン」と「蜘蛛女のキス」の二冊でした。
kaho_davinch1
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